チェコ語

チェコ語の面白さ〜ハマるな危険〜

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世界で一番難しい言語のひとつに数えられているチェコ語。
その文法の複雑さばかり注目されて、チェコ語のもつ面白さがあまり語られることがないのはなぜなのか・・・。(そもそもマイナー言語・チェコ語自体が語られる機会ないんだけど!)
チェコ語世界の魅力に気づけば、いつの間にかあなたもチェコ語のトリコになることでしょう。今回は、チェコ語を全く知らない方向けに、その魅力をご紹介します。

1、音が可愛い

チェコ語はローマ字を使用し、なおかつ読み方ローマ字読みなので、読むことに関してはハードルが高くないです。

例を挙げます。

pes(ペス)犬 
miminko(ミミンコ)赤ちゃん 
fotka(フォトカ)写真


しかし、特殊文字が存在します。
文字の上に小さい(チャールカ)v(ハーチェク)(クロウジェク)などの記号がついたローマ字です。

dárek(ダーレク) プレゼント
kočka(コチュカ) ネコ
průkazka(プルーカスカ) 証明書

この二段目コチュカにも登場する、v(ハーチェク)の音が可愛いんです!
ハーチェクが付くと、柔らかい音に変化します。

c →č (ツ→チュ)
s →š(ス→シュ)
z→ž(ズ→ジュ)

なんとなく雰囲気わかります?

チェコ語には、一般名称と「カワイイ呼び方」の二種類があるんです。そのカワイイ呼び方の方に、ハーチェクがよく登場します。

kočka(コチュカ)ネコ →  kočička(コチチュカ)ネコちゃん、子ネコ
stůl(ストゥール)机 → stoleček(ストレチェク)小さい机、子供の机
mrkev(ムルケフ)人参 → mrkvička(ムルクヴィーチュカ)ベビーキャロット


あと、「カワイイ呼び方」の方は、子供に対して話すときにも使われます。
日本語でいう「おてて」「ねこちゃん」「にんじんさん」という時のニュアンスと一緒です。
だから、チェコ人が子供に話すときには、やたらこのチューチューいうハーチェクの音が聞こえてきて、なんだか可愛いんです。

人名でも同じです。

Hana(ハナ) → Hanička(ハニチュカ)

Sayakaなら、Sayačka(サヤチュカ)になります。聞き慣れませんね。
日本人の名前であろうが容赦無く活用して来ます。

このように、耳あたりが非常にカワイイのが魅力のひとつです。

こちらの記事で書いていますが、チェコ語の音の可愛さが活かされているのが童謡だと思っています。要チェック。

2、子音の洪水

日本語だと母音(a、i、u、e、o)のみ、もしくは母音と子音の組み合わせで音が作られます。

しかしチェコ語には、母音(a、i、u、e、oなど)が一つも入っていない、もしくは少ない単語がたくさんあります。

krk(クルク) 首
prst(プルスト) 指

母音が入ってない単語なので、カタカナで音を表記するというのがそもそも無理なんですが・・・。

発音は日本人には慣れないので、やはり少し難しいです。
ただ、チェコ人もこういう単語を使って早口言葉(Jazykolam(ヤジコラム))を作っているので、彼らにとってもそれなりに面白い音なのかも。

Strč prst skrz krk(ストゥルチュ・プルスト・スクルス・クルク)

・・・言えますか?意味は「喉に指を突っ込め」です。

3、恐怖のŘ

1の項目で特殊記号v(ハーチェク)は、音を柔らかくする、と説明しました。
チェコ語の恐ろしいところは、Rにもハーチェクが付くんです。

普通のRの発音は、巻き舌のルの感じです。
rrrrr・・・と舌を震わせるのが苦なく出来る方、チェコ語の才能あります。

そこまでは出来たとして、さてその音を柔らかくするには???

???

聞いた方が早いでしょう。

なかなかパンチの効いた先生ですが。笑

この息の音が強く聞こえる「ジュ」みたいなのが、Řです。

チェコ人にとっても難しいようです。チェコ人の子供でも、時には大人でもこの音が発せられなくて、医師のもとにトレーニング等に通うケースもあるくらいです。

さらに恐ろしいのは、この音はけっこう頻繁に登場します。

tři 数字の「3」
Přesně tak! そのとおり!


など。(もう発音をカタカナで書くのを諦めました。笑)
1、2、3!の3でもうŘが出てくるんですから、もうあなたに逃げ場はありません。

逆にいうと、この音がカッコよく発音できると、チェコ人からも「チェコ語うまい!」と認められます。がんばって習得しましょう。

ちなみに、上記動画で冒頭に言っている早口言葉は、

Tři sta třiatřicet stříbrných křepelek přeletělo přes tři sta třiatřicet stříbrných střech. 
(333匹の銀のウズラは333個の銀の屋根の上を飛んだ。)

と言っています。どうですか、チェコ語の(恐怖の)魅力伝わってきましたか・・・

4、チェコ語ジョークの面白さ

チェコ人はジョーク好きです。しかも、そういうのはだいたいブラックもしくは自虐的です。そっち方面のアイデアは、次から次へと湧いてくるようです。
ジョークを日本語訳して読むのと、チェコ語で読むのではまたニュアンスも違ってしまい、その良さが100パーセントは伝わらないのがもどかしいところ・・・

とは言いながらも、一例。
ブラックユーモアはブラックすぎて書けないので(苦笑)、ペパくんのジョーク。

„Pepíčku, proč jsi snědl ty peníze, co jsem ti dal?“
„Vždyť jsi mi je dal na oběd.“

「ペパ君、なぜ私が渡したそのお金を食べちゃったの?」
「だっていつもママ、お昼ご飯にってくれるんだもん」

https://www.alik.cz/v/pepicek

„Pepíčku, proč při výkladu spíš?“
„Nespím!“
„Tak zopakuj mou poslední větu!“
„Proč při výkladu spíš?“

「ペパ君。どうして説明の途中に寝るんだ?」
「寝てないよ!」
「じゃあ、私が言った最後の文章を言ってごらん。」
「どうして説明の途中に寝るんだ?」

https://www.alik.cz/v/pepicek


ペパというのは、一般的なチェコの名前ですが、どこかおっちょこちょいな?可愛い印象があります。上記サイトにおいても、ジョークテーマが「男性/女性」「パソコン」「警察」「学校」などに並んで「ペパ」テーマがあるくらいですから。

5、文法が難しい、でもパズル感覚。

本来はこれが一番目の特徴なんですが。笑

チェコ語といえばまず文法。

チェコ語には、7格の変化があります。
どういうことかというと、

こちらはホンザです。
ホンザに聞きます。
ホンザに電話します。
ホンザを探します。
おい、ホンザ!
ホンザについて話します。
ホンザと一緒に行きます。

ここで書いた7つのホンザくんについての文章、ホンザという単語が全て違う形に変化するんです。

しかも、男性名詞、女性名詞、中性名詞があり
さらにそれぞれの複数形があり、すべて7変化する上、
形容詞、所有代名詞もそれぞれに合わせて7変化し、
それに加えて不規則変化するものもあり・・・。
数詞に至っては、本当に迷宮です。多分、外国人に伝わらないように、こんな複雑にしたんちゃいますか。

自分で書いていてもなんてものに手を出しているんだと恐ろしくなってきましたが、大丈夫です。ひとつずつ、頭を整理しながら取り組むとそんなに難しいことではありません。

むしろ、この複雑さをパズルだと思って向き合ってみると、意外にも楽しくなってきたり、する・・・かもしれません。複雑な文章をスラスラ言えた時の爽快感はありますね!



以上、チェコ語の魅力をざっくりお話いたしました。
このように、まあ、大変な面の方が多い言語です。そしてチェコ以外ではほぼ使い道のない、残念な言語。(日本語も似たようなものですが・・苦笑)


それでも、このボヘミア・モラヴィア・シレジアの地の牧歌的なのどかさに絶妙にマッチした素朴な雰囲気のあるチェコ語には、惹きつけられる魅力があると思うのです。

ハマれば抜けられなくなる、それが危険なチェコ語の沼・・・
少しでも気になった方への読み物として、こちらをオススメします。


『チェコ語の隙間―東欧のいろんなことばの話』
黒田龍之助 著/現代書館


チェコ語だけではなく、ポーランド語など他の東欧言語のことも書いてあります。言語についてのエッセイなので気軽に読めますよ。私は、チェコに向かう飛行機の中で一気読みし、チェコ旅行への気分を高めました。笑

チェコ語楽しそうだな・・・と思った方、一緒に勉強しましょう!オススメの学習書をこちらで紹介しています。



さて、ではおわりに、私の好きな早口言葉をおいておきます。

Kmotře Petře, nepřepepřete mi toho vepře.
(ペトルおじさん、その豚肉にコショウをかけすぎないで。)

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