音楽

チェコ新進気鋭のヴァイオリニスト、Josef Špaček(ヨゼフ・シュパチェク)

更新日:

josefspacek

チェコ、と聞いて音楽の国だな、というイメージはなんとなくあるかもしれません。有名な作曲家もいますね、スメタナ、ドヴォジャーク、ヤナーチェクにマルティヌー・・・。

実は「弦の国・チェコ」と言われるくらい、数々の名弦楽器奏者を輩出してきているんです。

そして現代においても、素晴らしいチェコ人ヴァイオリニストが、世界を飛び回って演奏活動をされています。

Josef Špaček(ヨゼフ・シュパチェク)氏です。オーケストラを中心にソロ、室内楽など幅広い活動を行っているチェコ期待の新星です!

全力をあげて彼をご紹介したいと思います!

1、プロフィール

josefsacek

Josef Špaček(ヨゼフ・シュパチェク)

1986年10月17日、西モラヴィアに位置するTřebíci(トシェビーチ)生まれ。

使用楽器は1855年製ジャン=バプティスト・ヴィヨーム。

ちなみに姓「Špaček(シュパチェク)」は「ムクドリ」という意味です。チェコ人の苗字って、面白いものから可愛いものまで色々です。

経歴、受賞歴

2014年1月1日ニューイヤーコンサート。ビェロフラーヴェク指揮。

音楽一家に生まれる。父はチェコフィルのチェロ奏者であった。また弟Petr Špaček(ペトル・シュパチェク)もチェロ奏者。

6歳からヴァイオリンを本格的に始める。

プラハ音楽院ではJaroslav Foltýn氏に、
2004-2009年フィラデルフィア音楽院でIda Kavafian氏と Jaime Laredo氏に、
2009-2011年ニューヨークのジュリアード音楽院でItzhak Perlman(イツァーク・パールマン)氏に、それぞれ学ぶ。ジュリアード音楽院で修士号を取得。

2008年デンマークのカールニルセン国際ヴァイオリンコンクール3位。

2009年ニュージーランドのMichael Hill International Violin Competitionで1位。

2011年7月からチェコフィル歴代最年少のコンサートマスターに就任する。

2011年ニューヨークの国際ヤングコンサートアーティストオーディションで2位。

2012年ブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナリスト(チェコ人ヴァイオリニストで初めて!)。

2020年、新シーズンより再びソリストとして活動開始。

・この世代において最も素晴らしいヴァイオリニストの一人と賞賛され、2016年1月チェコフィルは彼を「Associate Artist」と名付けた。

・2014年、雑誌『チェコ・フォーブス』は、彼を「30歳以下の30人」にノミネートし、最も重要な若いチェコ人のひとりに挙げた。

2、アルバム

『Dvorák, Suk , Janácek Violin Concertos 』

2015年4月23日発売
合計収録時間 | 01:06:00

こちらが最新アルバムになります。協奏曲の録音は初!
ビェロフラーヴェク氏の指揮でチェコ・フィルハーモニー管弦楽団との演奏です。シュパチェク氏の良さ、チェコフィルの良さ、ビェロフラーヴェク氏の良さ全部が噛み合って相乗効果で、これ以上ないというベストな組み合わせ。チェコの音楽、って感じがして、良い。

【曲目】

1)スーク : ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲 ト短調 Op.24

2)ヤナーチェク : ヴァイオリン協奏曲「魂のさすらい」

3)ドヴォジャーク : ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53

【録音】

1,2)・・・2014年10月22-24日/プラハ、ルドルフィヌム、ドヴォルザーク・ホール(ライヴ)

3)・・・2014年9月8日/ドヴォジャーコヴァ、プラハ(ドヴォジャーク・プラハ・フェスティバルにおけるライヴ)

『Prokofiev, Smetana, Janacek』

2013年4月20日発売
合計収録時間 | 01:07:00

どれも彼の得意とする作曲家です。美しい演奏を聴かせてくれます。

【曲目】

ヤナーチェク : ヴァイオリン・ソナタ

スメタナ : わが故郷より~2つの二重奏曲

プロコフィエフ : 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.115

        ヴァイオリン・ソナタ第1番 へ短調 Op.80

【録音】

2012年12月、ドヴォルザーク・ホール、プラハ(セッション録音)

・『エルンスト: ヴァイオリン作品集』

2013年4月19日発売
合計収録時間 | 00:74:00

パガニーニを彷彿とさせる超絶技巧の多いエルンストの曲を弾きこなすアルバム。1曲目は、中学校の音楽の教科書に乗っていたあの『魔王』をヴァイオリン一本で魅せてくれます。

【曲目】

エルンスト:

1. 魔王 Op.26

2. ロッシーニの主題による華麗な変奏曲 Op.4

3-8. 無伴奏ヴァイオリンのための重音奏法の6つの練習曲

9. フレーズの芸術 Op.16より第14番 変ニ長調(S.ヘラー原曲)

10. エレジー

11. ヴァイオリンのためのトリオ

12. ヴェニスの謝肉祭 Op.18

【ピアノ演奏】

ゴードン・バック(2.9.10.12)

【録音】

2010年3月17-19日 モーンマス,ウィアストン・コンサート・ホール

イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全集(Czech Philharmonic Orchestra)

2006年11月15日
合計収録時間 | 01:07:40

【曲目】

ユジェーヌ・イザイ(1858-1931):

6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ Op.27
 第1番 ト短調 (ヨゼフ・シゲティに)
 第2番 イ短調 (ジャック・ティボーに)
 第3番 ニ短調 (ジョルジュ・エネスクに)
 第4番 ホ短調 (フリッツ・クライスラーに)
 第5番 ト長調 (マチュー・クリックボームに)
 第6番 ホ長調 (マヌエル・キローガに)

【録音】

2005年8月17-18日,2006年1月7-8日 プラハ,ルドルフィヌム,ドヴォジャーク・ホール

3、日本での活躍

2020年6月13日第358回横浜定期演奏会 (横浜)

日本フィルハーモニー、指揮ポール・ダニエル

ドヴォジャーク:序曲《謝肉祭》 op.92 B.169

マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲第2番

フランク:交響曲 ニ短調

2017年9月27日「望郷のボヘミア」コンサート (東京)

ドヴォジャーク:4つのロマンティックな小品、マズレック

クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ

スーク:ラブ・ソング

チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」

ワックスマン:カルメン幻想曲

ピアノ演奏 Miroslav Sekera

2016年12月13,14日 ヤクブ・フルシャ指揮 東京都交響楽団と共演 (東京)

ドヴォジャーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53 B.108

マーラー:交響曲第1番 ニ長調 《巨人》

2016年2月28日 チェコ・フィル・ストリング・カルテット (豊田市)

2015年10月26日 チェコ・フィル トップ奏者による室内楽の夕べ (東京)

2015年2月28日 チェコ・フィル・ストリング・カルテット (沖縄)

父であるJosef Špaček氏と共演しています。

2014年3月1日 チェコ・フィル・ストリング・カルテット (函館)

2013年11月 ビェロフラーヴェク氏・チェコフィルと (愛知)

ブラームスのヴァイオリン協奏曲など

2013年2月 チェコ・フィル・ストリング・カルテット

・この頃に、JAPAN ARTSが行ったインタビューの内容がこちらです


4、演奏スタイル

筆者はクラシック好きとはいえ、深くまでどっぷり専門的にというわけではないので、他の有名な演奏者と比較してどうか、ということは、正直なところあまりわかりません。

ただ彼の演奏スタイルを見ていて、非常に感情豊かだなと感じます。演奏中、音楽の響くその物語の中に入り込み、波に渦に身を任せ、頭から上半身から足元まで全身を使って泳ぐは泳ぐ。見ている観客にも、音楽の中にある感情をより鋭利に伝播させてくれます。舞台映えのする表現者だと思います。

確かな技術に支えられた、全身全霊で奏でる音が聴く人の心に突き刺さります。

5、人柄

華々しい経歴とはうらはらに、とても純朴な青年。こちらにテレビ番組のインタビュー(2014年1月)がありました。

クラシックとかヴァリオリンとか全然わからないとトボける司会者にも、丁寧にニコニコ答えている姿が印象的です。ヴァイオリンがめちゃくちゃ高いという話をしているのに、「一昨日、ここに傷つけちゃった・・ピチカートの練習してたら」というお茶目な一面も。

そんなフワフワした少年のような笑顔の彼ですが、ひとたびヴァイオリンを弾けば、一音目からもう彼の世界に入っています。そして音楽の盛り上がりと一緒に感情も高ぶり、チェコフィルの首席奏者ここにありといわんばかりの貫禄をバッチリ見せつけてくれました。

このギャップもまた、彼の魅力のひとつですね。


 
さて、ヨゼフ・シュパチェク氏についてご紹介してきました。
彼の魅力を感じていただけましたか?
これからはソリストとして活動していくので、ますます世界中を飛び回って、もちろん日本にも素晴らしい演奏を届けに来てくれることだと思います。

引き続き、チェコ暮らし(このサイト)は彼の応援を続けていきたいと思います!アップデートがあれば、随時お知らせしますね。

最後に、コンマスは卒業してしまいましたが、チェコフィルの中でもひときわ輝く存在感を感じてください。
スメタナ作曲、交響詩『わが祖国』より、ヴルタヴァ


-音楽
-, , , , , , , , , , , ,

Copyright© チェコ暮らし , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.