雑記

コロナで外出禁止!その時、チェコの歴史と生き様を見た。

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(2020年3月25日にこの記事を作成しました。)

世界的大流行となっている新型コロナウィルス。チェコは感染者の多い国と陸続きになっているという点で危機感を持ち、他国よりは早い段階で(まだ感染が多く広まっていない時から)、厳しい対応措置を取ってきました。

チェコ封鎖から早1週間が経ちました。

まだまだ終息の目処もつかない状況ですが、こんな緊急事態だからこそチェコやチェコ人の本質が垣間見れたな・・・と思うことがありましたので、シェアします。

なお、ここに書かれている措置は、執筆時の内容です。

1、共産主義時代の名残か?政府におとなしく従う国民性

stay at home

まずは100人以上の集会が禁止されましたが、あっという間に30人以上に変更されました。同時にスーパー・薬局など生活必需品以外のお店の営業停止が決まったかと思えば、日を置かずして3月16日から外出禁止(封鎖)措置となりました。食料品などの必要な買い物や通勤などいくつかの例外を除いて、家でいることが原則となりました。

あれよあれよという間に、禁止事項が増え、決まったかと思えばまた変更して、そして徐々に厳しくなってきました。政府も、予想もしていなかったことに、右往左往している印象。朝令暮改よろしく、昨日決めたことが今日起きたら変わってたということも。(夜中まで会議をしているとか・・お疲れ様です。)
そんな混乱状態にありますが、この一連の政府の対応に対して文句をいう声はあまり聞こえてきません。

外出禁止!と言われれば、皆わりと素直に従っています。
一部の人がレストランの前でビールを飲んでいて政府は怒っている、という報道がありましたが、他の西側の国に比べたら、随分少ない印象です。

ひとつには、新型コロナウィルスに対して非常に恐れていること。悲惨な状況になっているイタリアが近いことも関係しているのでしょうか。皆、早くこの異常事態が終息することを願っているため、厳しい措置も受け入れているのでしょう。

また、長く共産主義の国であったため、政府のいうことはおとなしく聞くという体質があるのかな、と感じました。今までの普段の生活でも

時たま感じていたことです。

例えば、郵便局や役所はものすごーーーく待たされます。いつもいつも・・・。スーパーのレジでも、待ちます。行列を作っていても、スタッフはマイペースにのんびり仕事をしています。時には、おしゃべりしながら・・・。それでも文句も言わず、静かに待つことができるんです。改善しろ、という大きな声も聞こえてきません。心の中では皆そう思っているかもしれませんが、言ったところで何か良くなるとは思っていないのでしょう。諦めともいえます。

この混乱時においても、そういった共産主義時代に培われた忍耐力(数少ない?良い遺産)が発揮されているようです。

2、マスク問題から見える、国民の器用さ、相互援助のやさしい心

マスク

外出禁止といっても、生活に必要な外出は認められています。(食料品、薬局、医者、仕事、また個人的な公園での散歩もOK)しかしそんな外出しなければいけない時も、マスク着用が必須になりました。(マスクでなくても、スカーフやマフラーなどで鼻と口を隠せればOK。)今まではマスクしてる人を白い目で見ていたのに、政府がひとたび義務を課すと、皆一斉にマスクをつけ始めた様子には、驚きすら感じます。

ただ、そもそも一般的な使い捨てマスクが超絶不足しているんです。

それでどうするのか?となりますが、政府はマスク着用必須を発令すると同時に、営業停止にしていた生地屋さんを特別に営業許可としました。つまり、公式に「自分で作れ」と言ったわけです。生地屋さん超特需

ということでマスク持っていない人は自分で作成する流れになり、ネット上ではマスクの作り方で大盛り上がりでした。もともと、手作りは得意な国民性。自分で作れない人にはおばあちゃんや親戚の人が作ったり、得意な人が大量に作り、寄付したり販売したりというムーブメントも起きました。今や一部の地域では、マスク自販機まであります。ちょっとびっくりするくらいの対応の早さですね。


また、「この近所で誰か作ってくれる人いないかな・・・」を簡単に探せるサイトも登場。(DameRousky.com)17日には無料か、または値段はいくらなのかも自分で設定できます。

チェコ郵便局は、マスクの発送費を無料とする対応を始めました。(19日)

この非常事態において、皆それぞれが、今自分に出来ることは何か、社会に貢献出来ることは何かを真剣に考え、形にしていっているのです。困った時はお互い様。こんなときだからこそ、優しい心に触れられることが嬉しいです。

Tvoje rouška chrání mě, moje rouška chrání tebe.(あなたのマスクは私を守り、私のはあなたを守る)

というちょっとしたスローガンも生まれました。

マスクは、飛沫を防ぐ程度でウィルスを防御できるものではないと理解していますが「何もないよりはマシ」というその一心で、国民は皆手作りマスクを日がな着用し、夜な夜な鍋で煮て煮沸消毒しているのです。。。

3、チェコ人の真骨頂、ブラックユーモア!

隔離生活は、本当に退屈なものです。長かった冬が終わりだんだん暖かくなってきたというのに、家に閉じこもらざるを得ないなんて・・・。ウイルスはどこに潜んでいるかわからない。一体この閉塞感はいつまで続くのだろう・・・。

鬱屈した気分が立ち込めています。

しかし!そんな時こそ、チェコ人お得意の(ブラック)ユーモアセンスが最高に仕事をするんです。

昔に流行った「マカレナ」という曲をご存知ですか?あれの替え歌で「隔離」をテーマにした秀逸な動画がこちらです。

「隔離」はチェコ語でkaranténa(カランテーナ)といいます。


またこちらは、大臣や首相を登場させて、若干政府を小バカにしていますが(多くのチェコ人は平常時から政府に不満を持っています。官僚の汚職事件など)、歌の内容はいたって正論です。

「おばあちゃんが大切なら、お家でちょっと我慢してね」

うーんそれにしても、やっぱりバカにしてるな。笑

また、ネット上では隔離をテーマにした(ブラック)ジョークが、大喜利のように飛び交っています。

思えば、チェコは長い間支配される側の小国でした。チェコのここまでの歩みは、ハンガリー、ドイツ、ロシア等に非常に窮屈な生活を強いられてきた歴史とも言えます。そんな中、彼らが見出した「はけ口」こそ、こんなブラックジョークだったのではないでしょうか。。。

チェコ人、皮肉やジョークが大好きです。

自分の周りのうんざりするような状況を直視し続けたら病んでしまうので、それを笑い飛ばしてストレスをわずかでも解消しようとしているのではないかと思います。

実際、私も外出禁止なんて・・・とかなりショックを受けていましたが、上記のような動画や大喜利を見て、ちょっとずつ気持ちの持ちようが変わってきました。もう、どうしようもない状況になってしまったのだから、仕方ない、今の状況を受け入れる気楽さも持とう、そうじゃないと先の見えないこの閉鎖的な環境に潰されてしまいそう、というのが本音のところです。

日本人的な発想でいうと「不謹慎だ」ということになりそうですが、チェコ人はその辺りの感覚が日本とはまた少し違っているように感じます。

これらの動画などが作られたのは封鎖初期の頃で、チェコではこの病気により亡くなった方がまだいませんでした。しかし、ここ数日いよいよチェコでも犠牲者が出始めてきました。今後どう風潮が変わるかはわかりません。でもどこかではやはりジョークや皮肉で戦っていくのがチェコ流なのかも、と思います。今後の動向にも注目していきたいです。

4、イタリア好きすぎるチェコ人

そもそも、チェコ政府がこんなに早めに厳し目に手を打ったのには、ほったらかしにしておくとあっという間に蔓延してしまう大きな要素があったからです。

それは、スキー。チェコ人、冬のスポーツ大好きです。特に、イタリアやオーストリアの雪山にスキーに出かける人は本当に多いです。

2月はシーズンですので、たくさんのチェコ人が北イタリアの山に旅行に出かけていました。報道では1万人以上とも。

2月はまだヨーロッパでは発症が少なかったですが、3月に入ってやはり爆発的に増えました。感染者はイタリアからの帰国者に集中していました。

慌ててまずはイタリアから帰ってきた人に対して、2週間の自宅隔離を命じました。(その後、危険国から入国した人にまで対象は広げられました。)

・・・しかし、最近のニュースでは、半分近くのイタリア帰りの人が自宅隔離を遵守していなかったとバレてしまいました。クレジットカードの使用歴や、ケータイの発信履歴から判明しました。

チェコ人のイタリア好きも、感染拡大の一助になったようです。

5、ベトナム人の優しさ。そして巧さ。

チェコにはベトナム人が多いです。スロヴァキア人、ウクライナ人に続いて3番目に。というのも、チェコスロヴァキア時代に政府が労働力として沢山受け入れ、社会主義崩壊後もそのまま定着したのです。

この「移民1世」にあたる世代は、街のコンビニのような小さなお店を経営しはじめました。今も引き続き経営されているのですが、そのお店でマスクが無料で配布されているというニュースを目にしました。

マスク無料❤️


他にも、こういったベトナムのお店が警察官に無料でコーヒーを提供したり、病院へ飲み物や果物を無償で提供したりというニュースがありました。

「ベトナムの方、ありがとう。チェコのあちこちで私たちを助けてくれてありがとう。」

というチェコ人のコメントを目にしました。

街のコンビニのありがたみは、日本人もよーーくよく知っていることですね。チェコ人の生活にとって、なくてはならないものを提供しています。特にベトナムのお店は年中無休、場合によっては24時間営業のお店もあり(まさにコンビニ!)、その勤勉さはチェコ人には真似できないことです。

そういったベトナム人の仕事ぶりと、ちゃんと暮らしている感じがいい印象を与えているのか、チェコではアジア人差別が少ないと感じます。ありがたいことです。

脱線しましたが、ベトナム人経営のお店でマスクを無料でもらえるのです。独自の輸入ルートで入手しているんでしょうか。困ってる時はお互い様だよ、という優しい気持ちが感じられるのと同時に、「マスクにつられてお客さんが増えるんじゃないか、、、」と考えている商売上手なニオイもほんのり感じられるんですな。いやーさすがアジア人、商売が巧いな!

もちつもたれつ。これからもいい関係を続けていかれることを願います。
 


 
さて隔離5日目、ここまでの状況から感じた「チェコの国民性」を書いてきました。非常時にこそ、その人の本性がわかるといいますが、私はこの一連の流れを体験してみて、チェコ人気質はますます好きになりました。お上の言うことはちゃんと聞いて、でも裏ではジョークで笑い飛ばして、非常時となればお得意のお裁縫スキルを発揮して自分だけじゃなく周りで困っている人にも手を差し伸べて・・・。

同時に、自分のことも振り返ります。こんな時だからこそ、ちゃんとしなきゃ。やるべきことをきっちりやろう・・・と。

さあ、この非常事態、いつまで続くのでしょう?

一刻も早く、安心して外を歩ける日が来ることを願っています。

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